人材の流動が活発になり、
中途採用で人材を確保することも多くなっています。
先日こんなことがありました。
ある組織で、異業種から転職され、
中途採用された人材。
年齢からいっても社会経験が充分にある人物でした。
ところが数か月すぎても、
責任者がおもうような仕事の成果がだせていません。
そのうちに組織内でその人物に対する、
不満が責任者の耳にはいってくるようになりました。
このままでは、組織内の運営がうまくいかなくなる、
そう考えた責任者は個別で面談を実施することにしました。
何か仕事で困っていることはないかとの問いに、
問題ないというご本人。
仕事でわからないことはないかとの問いに、
出来ているというご本人。
仕事の成果は出せているかとの問いに、
『言われたことはやっています』
この言葉を聞いてこの責任者は、
愕然とされたと同時に充分に、
仕事の説明やこの組織が目指していることを、
伝える時間をとっていないことに気づかれました。
採用の際にも『やること』は説明したものの、
この人材の役割が『やること』だけではなく、
組織で考える『成果』に結びつくことを、
目指してほしいことも伝えきれていなかったようです。
また、日々の仕事の中で、伝えきれていないということは、
組織のメンバー内でも目的が曖昧になっている
ということではないかと、
考えられています。
社会経験が豊富だからと言って、
その組織の目的を理解できるわけではありません。
それぞれの組織で考えていることや、
目指していることは違っているので、
新しい人材を受け入れれば、
きちんとした教育が必要です。
また、長くその組織にいるからといって、
組織の目的が共有できているわけでもありません。
これをきっかけに、
この組織ではあらためて『この仕事の社会的な役割』を明確にし、
メンバーと共有することに取組まれています。
はじめみると、長年一緒に仕事をしてきた者同士でも、
考え方や思いに少しづつ違いがあり、
?や!の連続です。
集中した時間は必要ですが、
これからの組織運営を考えるときには、
必要な時間かもしれません。
いくつかの課題が感じられます。