企業のコンサルティングをしていて感じることは、
組織は『やめる』ことがとても苦手だと感じます。
業務改善のコンサルティングでは、
将来のあるべき姿を明確にすることはとても大事なことですが、
なかなか明確にでてこないことが普通です。
そこで、現状を分析することからはじめます。
『仕事の流れ』を全社でみえる化することです。
大変時間がかかることですが、
これまでみえていなかったことを発見できます。
先日ある福祉サービスの事業所であったことです。
本来は福祉サービスを提供すべき担当者が、
PCの前で書類作成にほぼ時間をとられていました。
『なぜこの書類を作成しているのですか』と聞くと、
『記録として残しておくため』との答え。
『なぜ残しておかなければならないのですか』と聞くと、
『よくわからないのですが、これまでそうしていたからです。』
『では、この残した記録を活用したことはありますか』
『いいえ別の書類に経過はのこしていますので・・・』
施設の責任者に聞くと
『事務業務の見直しをしたときに受け加えたことです。
あらためてみると同じ内容ですね・・・・』
組織は『新しいことをはじめること』には前向きで、
『これまでやっていたこと』をやめることに気がつかないものです。
新しいことを始めるなら、それをすることで、
何かやめることができないかを考える必要があるのかもしれません。
この事業所では職員全員にあつまっていただき、
ヒアリングしました。
よくわからずにしていた書類や、
ダブりでしている業務などが
見えてきました。
まだ途中ですが、PC作業だけでも3分の1ほどは、
削減できそうです。
これだけでも生産性は格段にあがるのではないでしょうか。
PC作業を削減してできた時間、
本来の福祉サービスの充実にあてることができそうです。

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